絵本作家・たかいよしかず先生 インタビュー

絵本作家・たかいよしかず先生 インタビュー

京田クリエーション代表取締役社長であり、絵本作家のたかいよしかず先生。
今回は京田クリエーション様に訪問し、「将来の夢」というテーマでインタビューしてきました。

お話を聞いた人:たかいよしかず

たかいよしかず

(株)京田クリエーション代表取締役社長・HAPPY CREATOR
大阪府堺市生まれ。魚座。大阪芸術大学デザイン学科卒業。(株)京田クリエーション代表取締役社長。2001年、2003年、2006年、2011年ボローニャ国際絵本原画展入選。
★明治「マーブル チョコレート」キャラクターの「マーブルわんちゃん」
★兵庫県西宮市キャラクター「みやたん」
★海洋堂ホビー館四万十キャラクター「うまのすけっぴ」など、多くのキャラクターデザインを手がけるとともに、イラストレーターとしても活躍している。

その他の主な作品に、
★『怪談レストラン』シリーズ(童心社)の装丁・挿し絵
★『おはなし・くろくま』シリーズ『わくわく・くろくま』シリーズ(くもん出版)
エッセイ集『キャラクターデザインの仕事』 『生きる力が身につく本シリーズ』(大日本図書)『ようかいむらシリーズ』(国土社)など。見た人を元気にする作品づくりがモットー。

◆ 株式会社 京田クリエーション
◆ たかいよしかず公式サイト

絵本作家・イラストレーターという職業について

ー絵本作家の魅力は何だと思いますか?

自分の作ったものがたくさんの人に届くことですね。
小学校5年生の時、僕の描いたクラスの壁新聞の4コマ漫画を見て友達が笑ってくれたことがあったのですが、それがとても嬉しかったんです。 その時、人を喜ばすということが、自分にとっても嬉しいことだと思うようになりました。

絵本作家になるまでの道のりについて

ーたかい先生が小さな頃は、どんな子どもだったのですか?

虫取り、怪獣が大好きだったので、子どもの頃の将来の夢は漫画家・昆虫博士・怪獣博士でした。笑 あとはテレビも大好きで、1日は24時間しかないのに1日8時間ぐらい見ていたのではないかと思うくらいテレビを見ていました。笑 アニメもドラマも歌番組もドキュメンタリーもお笑いも時代劇も、ありとあらゆる番組を見ていたことは、今の創作の源になっていると思います。

ー小さな頃からいろんなものに興味を持つお子さまだったんですね。  「将来、絵を描く仕事に就く」と決めた時期はいつ頃だったのでしょうか?

絵本作家までの道のりについては話せば長くなりますが…。笑
挫折からのスタートでした。

幼稚園の時、友達に怪獣の絵を描いてもらったら、「僕よりも上手い人がおる!」ってことがすぐにわかっちゃったんですよ。
小学生の時には、「将来マンガ家になる!」って決めて、高校になってからはアニメーターになろうと思ってたんです。
高校3年生の夏休みに大阪芸大の夏季講習を受けた時は200人中198番で、「大学に入るのもやばい!」って思いました。笑
大学2年生の時にアニメのプロダクションさんに見学に行った時も「2~3cmの紙の束の動画が2~3秒と聞いてこれは大変や!」と思ってあきらめました。

でもこれって、夢を目指すスタートの時には訪れる挫折で、そこでやめなかったからここまでこれたんだと思います。

ー学生の頃からそんなにたくさんの挫折の経験があったのですね…!  学生だと挫折を引きずったまま落ち込んでやめてしまう方も多いと思いますが、それでも続けてこれた特別な理由が何かあったのでしょうか?

それこそさっきもお話した、小学校のクラスの壁新聞に描いた4コマ漫画を見た友達が笑ってくれたことですね。 自分がしたことで人が喜んでくれるということがすごく嬉しかったんです。 その気持ちは今の僕のベースになっています。

ー幼い時に感じたことが今も尚ベースになっているだなんて素敵ですね!
 その後、絵本を初めて出すとなる時までは、どんな道のりだったのでしょうか?  ふとした時に出版社さんの方からお声がかかったりするものなのでしょうか。

「本出しませんか?」みたいな話は最初からくるわけではないので、僕はずっと売り込んでました。笑 15年くらい毎年神戸で個展を開いて、作品ファイルを作って、イラストレーターの友達どんどん作って、東京から出版社の編集の人が大阪に来るから紹介してあげるって言われた時には飛んで行ったりとか…。どんなことでも色々チャレンジしてましたね。 それでも1年かかって、やっと初めて幼年雑誌の仕事をさせていただいたのはフレーベル館さんのキンダーブックのお仕事でした。

ーなんと!京田さんに入社して10年以上も売り込み活動を続けて、やっと掴んだお仕事だったのですね!

そこからマーブルわんちゃんや、怪談レストランの仕事が入り、2004年に初めて書店さんで売られた絵本「ミキハウス ぬいぐるみえほん」「こいぬのチャップ」「こうさぎのミミ」「こぞうのポー」という3冊が出版された時は、すごく嬉しかったです! それから今までに100冊以上の絵本を出させていただけるようになりました。 その間にエッセイ集を出したり、イベントの仕事をやったり、キャラクターソングを作ったりと、自分がやりたいと思った仕事にどんどんまい進していきました。

カラフルでワクワクするたかい先生が所属するオフィスのショールーム。 たかい先生が生み出してきた愛らしいキャラクターの背景には、たかい先生の長年の熱い思いが詰め込まれているのですね。

絵本作家・イラストレーターの活動の場について

ーご自身の絵を、絵本以外の形で発信していきたいなどの思いはありますか?

僕はアニメーターになりたかったんで、アニメですね!
自分の絵を映像にして動かすのが夢です!
絶対にやります!

ー先程も、高校生の時からの将来の夢と仰ってましたもんね!
 ひょっとして、既に映像にするお話が上がったものも何かあるんですか?

「ようかいむらシリーズ」(※2)については企画書を作って持って行ったんですけど、やっぱりアニメってなかなかお金がかかるので、ちょっと大変だという結果で1回はなしになったんです。
でもやっと、YouTubeで5分くらいの歌で子どもがダンスするっていう動画ができました!
その歌の作詞もやったんですよ。笑
ぜひ「Youtube ようかいむら」で検索してみてください!

ーそこまで現実化している話があるのですね!「ようかいむらシリーズ」の動画…!どれも楽しみです!

「ようかいむらシリーズ」は、今10冊以上出させてもらってるんですけど、「1冊ずつ配信していきましょう。」ってことになってるので、YouTubeが評判良かったらゆくゆくはアニメも狙っていきたいなって! 絶対実現させます!笑

(※2)たかい先生のロングセラー『ようかいむらシリーズ』(国土社刊)

将来の夢を抱く、今の子どもや学生へ向けて

ー「何かしらの将来の夢を抱く子どもたちへ」「まだ夢を持てずにいる子どもたちへ」
 最後にメッセージをお願いいたします!

夢を持つこと、好奇心、”そうぞう力”を大切に。

”そうぞう力” には2つの漢字があって、
考える方の ”想像力”、
その考えたことを形にする ”創造力” 。
この2つの ”そうぞう力” があれば、これからの時代を切り開くことができると思います。

今勉強するのは将来の選択肢を広げるためです。
今はまだ夢がなくても、なるべく早く将来の目標を決めれると、そこに近づきやすくなるのでは?と思います。

以上

インタビューを終えて

小さい時から絵を描き、挫折の経験がありながらも、何年にもわたって諦めずに掴み取ったお仕事だったんですね。 その原動力は「好きなことだから続けてこれた」ということがよくわかりました。

絵本作家やイラストレーターという職業でなくとも、ものづくりをしてきた私たちにとっても、誰にとっても言えることだな、と私たちも考えさせられました。

たかい先生の原点になっていたという、「自分がしたことで人が喜んでくれるということがすごく嬉しい。」という言葉にも、改めて愛情深いお人柄を感じたインタビューでした。